FontWaveフォントをVFlibで使う方法
VFlibにはだいぶ前から、FontWaveフォントを扱うためのパッチが組み込まれていますが、使い方の紹介などのドキュメントを書いていないので、敬遠されているところもあると思い、このページを作成することにしました。


FontWaveのプロテクトとfwindexについて。

FontWaveのフォントは、.fws 拡張子を持つファイルとして提供されています。 このファイルは文字コードからフォントファイル中のデータの位置を求めるための インデックス部分を暗号化することによってプロテクトが施されています。 この問題を解決するために、.fwsファイルを末尾からサーチして文字コードとファイル中の位置の対応を調べるツールfwindexを作成しました。 VFlibのFontWaveドライバは、.fwsとfwindexが作成する.fwiファイルを 使ってアウトラインデータを生成しています。 .fwsファイルには一切変更をしませんので、Windowsで使うことができなくなる といったことはありません。

インストール

FreeBSDなら、packagesにあるので、
pkg_add jp-vflib-2.22.tgz
とするだけです。
その他の環境では これなどを参考に、各自インストールして下さい。
VFlib-2.22-PL8.tar.gzは、ここにあります。
ここには、VFlibのマニュアルのgif版があります。

設定の仕方

  1. FontWaveフォントをUnixから見えるようにする。 (ここでは、Linux,FreeBSDなどのPC-Unixを想定しています。) FontWaveはもともとWindows用の製品なので、DOSやWindowsと 同じハードディスクにインストールされているでしょう。 それをVFlibを使う環境から見えるようにする必要があります。 .fwsファイルをUnixのファイルシステムにコピーしても 構いませんしWindowsの入っているパーティションを マウントして使っても構いません。
    ※前述のようにプロテクトは回避しているので、Unixのファイルシステムに置く場合はWindowsのHDDにインストールされた.fwsファイルイメージでもCDROM上のものでもどちらでも構いません。

  2. インデックスファイルの作成
    .fwsファイルのあるディレクトリに移動し、
    fwindx filename.fws
    
    と打ってコマンドを実行して下さい。
    (fwindexは、/usr/local/lib/VFlib/などにあります。)
    当然、filenameの部分は自分の持っているフォントにあわせて変えて下さい。 たとえばリョービ平成明朝W3ならrhem_w3などです。

    Windowsのハードディスクの方に.fwiを置きたくない場合は、 リンクを使って下さい。
    例えば、リョービ本明朝Mの場合で説明すると、 /usr/local/share/fonts/fontwave/というディレクトリを作り、 /usr/local/share/fonts/fontwaveに移り、
    ln -s /dos/c/fontwave/rmh_mr.fws .
    
    として、/dos/c/fontwave/rmh_mr.fws へのリンクを作り、
    fwindex rmh_mr.fws
    
    と実行します。 rmh_mr.fwiファイルは、/usr/local/share/fonts/fontwaveに作成されます。

  3. vfontcapの設定
    vfontcap(普通は/usr/local/lib/VFlib/vfontcap)に、 FontWaveフォントを登録します。
    ### FontWave
    r-ryobi-heisei-mincho-w3|Ryobi Heisei Mincho W3:\
            :ft=fontwave:\
            :ff=/dos/c/fontwave/rhem_w3:
    r-ryobi-heisei-kaku-gothic-w5|Ryobi Heisei Kaku Gothic W5:\
            :ft=fontwave:\
            :ff=/dos/c/fontwave/rheg_w5:
    r-ryobi-hon-mincho-m|Ryobi Hon Mincho M:\
            :ft=fontwave:\
            :ff=/usr/local/share/fonts/fontwave/rmh_mr:
    r-ryobi-gothic-m|Ryobi Gothic M:\
            :ft=fontwave:\
            :ff=/usr/local/share/fonts/fontwave/rg_mr:
    
    ryobi-heisei-mincho-w3:\
            :fc=r-ryobi-heisei-mincho-w3:\
    ryobi-heisei-kaku-gothic-w5:\
            :fc=r-ryobi-heisei-kaku-gothic-w5:\
    ryobi-hon-mincho-m:\
            :fc=r-ryobi-hon-mincho-m:
    ryobi-gothic-m:\
            :fc=r-ryobi-gothic-m:
    
    上は、リョービ平成明朝W3、リョービ平成角ゴシックW5、 リョービ本明朝M、リョービゴシックMの設定例です。 フォントタイプ(ft)にはfontwaveと指定し、フォントファイル(ff)には、 .fwsファイルおよび.fwiの位置(パス名)を拡張子なしで指定します。

動作確認

上記の設定を済ませれば、FontWaveフォントが使えるようになるはずですので、 とりえずうまく設定できたかどうかを確認します。 /usr/local/lib/VFlib/などに、kban や、ktestというツールがあるので、 これを使用します。 kban はコンソール用、ktestは X用です。
kban -f r-ryobi-hon-mincho-m
ktest -f r-ryobi-hon-mincho-m
として正しく文字が表示されればOKです。

その他の設定

FontWave用のドライバは、もともとTrueType用のドライバを改造して作成したので、 その使い方はほとんどTrueTypeの場合と同じです。
vfontcapに 以下の属性が設定できます。
属性効果範囲備考
:sl#数字: 斜体-100〜100正は右、負は左
:ro#数字:90度回転0〜3時計回り
:rx:左右反転True/False有ればTrue
:ry:上下反転True/False有ればTrue
:fr:袋文字True/False有ればTrue

サンプルフォント

以下のフォントは現バージョンのFontWaveドライバでは対応できないことが判明しました。

ライセンスについて

フォントウェーブインフォメーションセンターに問い合わせたところ、 Windows以外の環境で使用しても使用許諾書の内容には反しないとのことです。
「一時に一台のコンピュータで使用する」など 使用許諾書の内容を守って使うよう心がけて下さい。

注意

このページの内容は無保証です。
自己の責任において使用してください。
いかなる損害にも当方は責任を負いません。
FontWaveはアルプス電気株式会社の登録商標です。
VFlibの使い方についてメーカーに問い合わせることは避けましょう。

リンク

以下のフォントは現バージョンのFontWaveドライバでは対応できないことが判明しました。


Applause こと 寺川愛印(Ein Terakawa)

e-Mail: applause@tky.3web.ne.jp