2004/04/26 作成
2004/06/24 更新

Pentium M Processor のページ

Pentium-M デスクトップPCを見せびらかすページです。
CPUは、Pentium M 1.6GHz (Banias) Intel
FSB 400MHz
2次キャッシュ 1MB(On-Die)
動作電圧 1.6GHz : 1.484V    600MHz : 0.956V
マザーボードは、Radisys Endura LS855 LS1L00-0-0 (日本ラディシスの型番では LSGM1L00-0-0)
Pentium M用マザーボードですが、Pentium4 用のCPUクーラーを装着する設計になっています。
対応メモリは、PC1600(DDR200), PC2100(DDR266), PC2700(DDR333)。(Radisysのページの記述は誤りだと思われます。)
写真ではLANポートが二つありますが、これは大口注文の場合のオプションです。通常版は、10/100対応の Intel 82551ER です。このLANコントローラの欠点は WakeOnLAN 機能がないところです。
ヒ−トシンクは、COOLER MASTER ZERO-1 DI4-L7290-X1
¥1,980@高速電脳
Pentium4と比較して発熱が非常に少ないので、銅製クーラーである必要は全くないでしょう。
PentiumIII でも、Pentium4 でも Intel のプラスチック製の留め具は、自然に破損した実績があるので、
もっともシンプルかつ確実なタイプを選びました。
電源は、今人気の静音系電源"鎌力"の350Wモデル。
名前は爆音系ながら、12cmファンのものより静かです。


写真

CPUです。

CPU
写真1
Pentium4 と違ってCPUにヒートスプレッダがありません。

ヒートシンクと、ヒートスプレッダ

Copper Plate
写真2

初代Athlonをペルチェ素子で冷却した時に使った銅板の余りが有ったので間に入れてみたところ、ぴったりあいました。
参考までに銅板の寸法は、6cm x 4cm x 1.5mm
Heat Spreader Bottom
写真3

銅板はシリコングリスの粘性で張り付いているので逆さまにしても落ちません。
Heat Spreader
写真4

銅板を挟まないと、ねじのねじ切られていない部分がマザーボードに当たるまで締め付けてもCPUとヒートシンクの間に隙間が出来てしまいます。
写真を取り損ねましたが LS855 の裏側は、チップ部品がない設計になっているおかげで、ZERO-1 付属のバックプレーンが利用できています。

ファンを装着してみたところ。

FAN
写真5
Intel純正ファン(PentiumIII 1BGHz, FC-PGA 用)がぴったりはまります。

装着された状態

Cooling
写真6

ケースに収納

Case
写真7
CPUファンには、結局、ZALMAN CNPS3100に付属の、FB-176 を設置。これも余りもの。ファンが回ってないですが稼働中です。
ケース底面の黒い部分は吸気口。ここのファンを鎌力に用意されているケースファン用電源に接続するとマル。

バックパネル

Back Panel
写真8

レビュー

発熱とファンレス運転

気になる発熱や消費電力について、どちらも簡単に計る方法がないので、体感による感想と、データシートからの推測でしか語れない事を断っておきます。
ファンレスに関してはすでに多くの方が様々なCPUで挑戦されているかと思います。残念ながら、ここでの結果もそれらと特に変わるところがないものだと言わざるを得ません。

評判通りというかスペック通りというかCPUの発熱は少ないです。ただ、待機電力が3Wかというと、残念ながらそこまで低消費電力/低発熱にはならないようです。というのは、この構成では SpeedStep が機能してないためです。※1 WindowsXP SP1aは、標準で SpeedStep に対応していますが※2、LS855では BIOS の設定項目もありませんし、常に最大周波数で動作します。 しかし、デスクトップPCではSpeedStepは、必要ないんじゃないかと思うくらいです。WindowsXP においてユーザー入力も実行中の処理もない場合、CPUはC2ステート(StopGrant)※3で待機するようになっていますが、この機能だけで十分に発熱が押さえられています。6W〜8Wといったところでしょうか。CPU温度は、だいたい室温+10度〜15度です。(Windows2000 の場合も同程度)
CPUの負荷をめいっぱいにかけた場合でも、Pentium-M の発熱は例えば同じ1.6GHzで動く Athlon XP 1900+ と比較して世代が違うとはいえ驚く程少なく、上の写真のCPUクーラー(ファンなし)でPCのケースを開けはなったまま、かつ人間が快適な気温(25℃以下)という条件なら、CPU温度は、高いときで 気温+25℃〜30℃、負荷最大の状態ではだいたい60℃(気温+35℃)を少し超える程度で安定して運用できることが分かりました。

※1 後に、Windows 2000 では SpeedStep を動作させることができる事を確認。
※2 インストールした Windows XP が SpeedStep に実際に対応している事は、HDDを別のマザーボードに接続して確認。
 なお、Windows XP SP1a で SpeedStep を有効にするには、電源の管理で、「最小の電源管理」または、「ポータブル/ラップトップ」を選ぶ。

※3 WindowsXP では管理ツール→パファーマンスでこれが確認できる。

ちょっとした拷問

ファンレスで観測された60℃というのはどれくらい限界に近い温度なのかという疑問が湧きます。データシートを見ると動作温度は0℃〜100℃となっています。額面通り100℃までと考えていいのでしょうか? 同じくデータシートには、極端な加熱を検出してCPUを停止させる保護回路が動作する温度は125℃とあります。繰り返しますが100℃ならは安心して使うことが出来るのでしょうか? さらに資料を捲ると、"Pentium M Processor and Celeron M Processor for Embedded Applications" という文書に、「雰囲気温度を50℃としてCPU温度を100℃に保つには熱抵抗いくつの冷却機構を設計しなければならない」という様な記述がありました。システム全体の設計として、雰囲気温度が50℃でCPU温度が100℃という状態を許すかどうかというのはまた別の問題なのでしょうが、この資料からIntelとしてはCPUが正常動作可能な温度として100℃までを実際に想定しているのだということが見て取れると思います。素人考えながらそれなりに裏付けがとれたので実際に試してみることにしました。
実は、Pentium M には、Intel Thermal Monitor 2 と呼ばれるもう一つの加熱保護回路があります。データシートによると、CPUが最大動作温度になると、SpeedStepの仕組みを用いて動作クロックを自動的に下げる、事になっています。ここで言う最大動作温度というのがいくつなのかデータシートではいまいち不明瞭だったので可能ならそれを確認しようというのが目的です。

それで、どうしたかというと、実際にCPUクーラーなしでWindowsを起動してみました。(今度は、SpeedStep Technology Applet をインストールした Windows 2000 で、SpeedStep が正しく機能します。)
まずはアイドル時、動作クロック600MHz 動作電圧0.96V 室温24℃で、マザーボードのモニタ機能で測定したCPU温度が 42℃ でした。CPU クーラーなし、コアむき出しの状態で 42℃です! かなり感心です。
そして、prime95 の TortureTest で負荷をかけてみると...
SpeedStep が働いて動作クロック1.6GHz動作、電圧1.48Vになり、みるみる温度が上がって行きます。十数秒で90℃を突破、固唾を飲んで見守ると、94℃になったところで、動作クロックが揺らぎ、1.6GHz より低い周波数を示すようになりました。その後20秒ほど観察しましたが、温度は95℃より上がることはありませんでした。
結果、Intel Thermal Monitor 2 の加熱保護が正しく機能する事と、最大動作温度の100℃(モニタ機能の使用しているサーマルダイオードの温度とは必ずしも一致しない)で機能するように設計されていることが分かりました。

CPUに限って言えば60℃を超えても問題なく、また雰囲気温度がマザーボードのマニュアルにある最大動作温度の55℃であってもなお問題ないと言えるでしょう。

※周波数は CrystalCPUID で、温度電圧は MBM5 で見ています。

マザーボードのファン制御

LS855 のおもしろい所は、マザーボードに温度によるファン制御機構がついていることです。制御は2系統あり、CPU温度によって制御されるファンx1 , マザーボード温度によって制御されるファンx2 を接続することができます。自動ファン制御というと、「たいていが宣伝文句だけで、実際にはそんな低い温度にはならないので、普通にファンが回転するし、静音の効果もない。」といった事を思いがちですが、Pentium-M においてはそんなことはまったくなく、以下のような非常に軽快な動作をしてくれます。
ファン制御のパラメータはBIOS画面で設定できるので、ファンの回転開始温度を55℃、回転開始時の出力を10%、70℃以上で最大出力に、という様にしておきます。これで、OSを起動しているだけや、エディタでテキストを編集しているだけといった負荷の軽い場面ではもちろん、Webブラウズ、動画再生などについても同時に複数の作業をするのでなければファンは全く回らず、ベンチマークプログラムなど負荷の掛かる処理を実行すると数秒で反応してファンが回転、ベンチマークを止めるやいなや、やはり数秒でファンが停止という、アクセルの踏み込みに応じて気持ちよく加速するスポーツカーの様な動作を見せてくれます。
ただし、このファン制御にはほんの些細ながら欠点があり、出力を制御されたファンからは、「チッチッチッチッ」という時計の秒針の様な音が出ます。

ファンが停止する軽快な静音を取るか、超低速回転ファンで実用的な静音を取るか、ファンレスで究極の静音をとるか、、、
Pentium-M を導入して、あれこれ考えてみるのもたのしいのではないでしょうか?

シリアルコンソール

LS855 には、BIOS 画面、およびCGA/VGAテキスト画面をシリアルポート(のVT100等の端末)にリダイレクトする機能があります。まずは、例を見せましょう。

BIOSのコンソールリダイレクション設定画面

これは、コンソールリダイレクションを有効にして、BIOS画面をシリアルポート経由で別のPCで動いているTeraTermに表示しているところです。

続く...



ベンチマーク

構成

CPUPentium M 1.6GHz (Banias)
Memory PC2700 512MB x2
M/BRadisys LS855GM
Soundオンボード

3DMark2001SE build 330

Win2000 (SP4), DirectX8.1(b), Radeon9700Pro(CATALYST3.6 catalyst-7-91-030625a-010028c)
1024x768x32 NoAA Z24 DXTC DB D3D Prue HW で、15642。

Final Fantasy XI Official Benchmark ver.1

Win2000 (SP4), DirectX8.1(b), Radeon9700Pro(CATALYST3.6 catalyst-7-91-030625a-010028c) で、6416。
参考

Superπ

104万桁 60秒。


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