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2019.12.1(火) 21:00:00
左右分離型自作キーボードをAVRからARMにアップグレードする話
ShiroMicro ARM版 - TrentaNove -
上の写真は、自作キーボードで使うために新しく作成したマイコンモジュールです。自作や趣味の世界ではまだほとんど目にしないNuvotonのマイコンチップを搭載しています。去年のアドベントカレンダーで「ShiroMicro について言及する余裕がなかった」のですが一年経ったらマイコンがAVRからARMにアップグレードしていました。
まずは Nuvoton NUC126シリーズ のこのマイコンが如何に素晴らしいかという点です。
- 電圧レギュレーター内蔵 - USBから供給される5Vでそのまま動く仕様ながら、実際には内部で生成される1.8Vで動作するので今時の普通の効率の良さを備えています。入出力信号はVDDIOピンへの供給電圧で決まり5Vにする事も可能というのが最近では珍しいくらいの仕様です。
- オシレーター内蔵 - 内部に発振回路つまりクロック源を持っていてクリスタル(水晶発振子)等の外部部品がなくとも電源供給だけでとりあえず動きます。
- クリスタルレスUSB動作 - 通常USBインターフェースの動作には高精度なクロック源が必要ですが、USBの信号そのものに同期して内蔵の発振回路を微調整する仕組みを備えています。
- ブートローダー専用領域 - ホビー用途などでも気軽にいろいろな事をためすのにマイコンをUSBでパソコンに接続して書き換える事が出来ると便利です。その仕組みをブートローダーと呼ぶのですがメーカー製のブートローダーがサンプルプログラムとしてソースファイル込みで提供されています。ブートローダー用の専用領域を置くことで不意に消してしまうという事故が起こりにくくなっています。
- フラッシュROMのデータ用領域分割 - アプリケーションプログラム領域としてのフラッシュメモリから一部をデータ用の領域として区分けする仕組みを持っています。これによってデータ部分を書き換える時にプログラム部分を誤って書き換えてしまう事故が起こりにくいようになっています。※EEPROMは内蔵していないのでEEPROMの機能はフラッシュメモリのデータ領域を活用してソフトウェア的に代替する事になります。
と、これだけの都合のいい仕様を兼ね備えているマイコンはほとんどないと思います。つまりはほぼUSBコネクタと接続するだけ動くということなのでホビー用途で使いたい人としてもとてもありがたい存在です。三月頃 ProMicro の ATmega32U4 から ARM 化するために候補となるマイコンを探していてこの NUC126 を見つけた時には狂喜しました。使いこなせるようになればキーボードだけでなくいろいろと活躍してくれることでしょう。
と、ここまで書いて NUC126 を紹介したらもう満足です…
NUC126 をブレッドボードに乗せて実験する様子 (四月)
本来マネしないようにと言うべき所ですが動作確認するだけなら写真のように最小限の部品を付ければ動いてしまいます。
書きかけ
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2018年十ニ月の日記/メモ